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小柳社会保険労務士事務所
社会保険労務士法人 小柳事務所

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社労士通信

vol.20~行楽日和におすすめの本~

新年を迎えましたが、まだ寒さが厳しい今日この頃、お家でゆっくり読書はいかがでしょうか。今回は、私が読んできた中で特におすすめの作品を紹介したいと思います。

おすすめ10作品

『キング牧師とマルコムX(上坂昇著)

アメリカ公民権運動を代表する二人の指導者の思想と生涯を比較し、その変遷と共通点を描く一冊です。非暴力を訴えたキング牧師と、黒人自立を掲げたマルコムXが、最終的に思想的接近を見せる過程が詳細に論じられています。各々の自伝等はありますが、2人の思想を比較して論じていく本は珍しく、また読みやすい本でした。

『地域再生の罠』
 (久繁哲之介著)

地方の再生施策が期待通りに機能しない理由を解き明かした一冊です。他の地域の成功事例の安易な模倣や箱物行政の限界を指摘し、地域固有の特性を無視したアプローチがいかに失敗につながるかを具体例と共に解説。市民の声を反映し、生活者目線で進める地域づくりの重要性を説いており、地域再生に関心のある全ての人におすすめです。個人的には会社経営についても同じようなことが言えるのではないかと思える本です。何度読み返しても背筋が正されます。

『穢れた聖地巡礼について』 (背筋著)

心霊スポットを巡るYouTuberと編集者が次第に怪異に巻き込まれていく様子を描くホラー小説です。興味本位で始まった心霊スポット巡りが、徐々に常識を超えた恐怖に変わり、現実と怪異の境界が曖昧になっていく過程は少しわかりにくいところもありますが、その余白が想像力をかきたてます。

読者を釘付けにします。リアルな取材風景や緊迫感のある描写が、恐怖を増幅しつつも引き込む力を持ち、読み返す度に、新たな発見や考察が浮かび上がる一冊です。

 

AX(アックス)』
(伊坂幸太郎著)

凄腕の殺し屋でありながら、家庭では恐妻家として妻に頭が上がらない主人公・兜を描いたユーモアとシリアスが交錯する短編集に近い小説です。表向きは営業社員として平凡な日々を送る主人公が、家族への愛と危険な裏稼業の間で揺れる姿を通じて、家族愛や人間の複雑さが鮮やかに描かれています。軽妙な会話と緻密な伏線、心温まるラストまで、非常に読みやすく、どなたにもおすすめできる1冊です。

#真相をお話しします』 (結城真一郎著)

現代社会のリアルなテーマを巧みに取り入れた5編の短編ミステリー集です。YouTuberを目指す小学生たちの挑戦や、マッチングアプリに翻弄される中年男性など、日常に潜む違和感を鮮やかに描き出しています。どの話の意外な展開と巧妙な伏線が読者を引き込み、どんでん返しが約束された展開に最後まで目が離せません。非常に読みやすいのでミステリーファンだけでなく、普段あまり本を読まない方にもおすすめです。

『ファミリーランド』
(澤村伊智著)

テクノロジーが浸透した近未来を舞台に、家族の在り方を鋭く描いた短編集です。スマートデバイスで遠隔から生活に干渉する姑や、遺伝子操作で生まれた子供たちが「普通」とされる社会など、全6編が収録されています。どの話も設定が細かく、著者の想像力に圧倒されます。家族問題や人間関係の歪みをリアルに描写し、読者に深い考察を促します。ホラーとミステリの要素を融合させた本作は、家族の絆や人間の本質を問いかける一冊です。

 

『珈琲の世界史』
(旦部幸博著)

先史時代から現代まで、コーヒーが辿った壮大な歴史を紐解く一冊です。イギリスの近代化やフランス革命、ナポレオンの政策など、歴史的出来事とコーヒーの意外な関係を明らかにし、一杯のコーヒーに秘められた物語を深く味わうことができます。また、スペシャルティコーヒーやサードウェーブ、純喫茶など、現代のコーヒー文化の背景も詳しく解説されています。普段飲んでいるコーヒーについてさらに詳しくなれる1冊です。

 

ヒップホップの詩人たち』 (都築響一著)

インターネットやSNSがまだ一般的ではなかった時代、日本のラッパー15人への詳細なインタビューと彼らのリリックを収録し、現代詩としてのラップの魅力を探求する一冊です。各ラッパーの生い立ちや経験、そして彼らが紡ぐ言葉の背景を深く掘り下げ、社会の周縁から生まれるリアルな表現を鮮やかに描き出しています。音楽ファンや詩に興味のある方はもちろん、現代日本の多様な文化に触れたい読者にもおすすめです。

 

『黒牢城』
(米澤穂信著)

戦国時代の有岡城を舞台に、城主・荒木村重と幽閉された黒田官兵衛が織りなすミステリー小説です。籠城中の城内で次々と発生する不可解な事件を、官兵衛が牢内から推理し解決に導く展開は、歴史小説と本格ミステリーの融合として、歴史小説が好きな方もミステリー小説が好きな方もどちらも面白く読めるかと思います。

『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』(町田そのこ氏著)

九州限定のコンビニ「テンダネス」を舞台に、フェロモン全開の店長・志波三彦と個性的な常連客たちが織りなす心温まる物語です。各章で描かれる人々の悩みや成長が、コンビニという身近な空間を通じて優しく紡がれています。現在第4巻まで刊行されており、短編集で1話1話の起承転結がきちんとあり読みやすいこと、もともと私が住んでいた門司が舞台ということもあり、新刊が出るたびに購入しております。

日常の中にある小さな奇跡や人間関係の温かさを感じたい方におすすめの一冊です。

今回はおすすめの書籍10点を紹介しました。お気に召す書籍がございましたら幸いです。

まだ寒さが続きますが、寒い中でも快適に過ごせる方法を見つけてみてはいかがでしょうか?

 

社労士コラム担当者 社会保険労務士 森木