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小柳社会保険労務士事務所
社会保険労務士法人 小柳事務所

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育児・介護休業法が改正されます!

 男性社員の育児休業取得者は徐々に増加しておりますが、取得率は12.65%(2020年度)となっており依然低い状態となっております。そこで男性社員の育児休業取得向上を中心とした法改正が、会社の規模や職種にかかわらず実施されますので概要をお知らせします。

<令和4年4月1日施行>

⑴ 育児休業を取得しやすい環境を作るため次の措置の一つ以上を講じることが義務となりました。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施

    育児休業の内容はかなり複雑です。研修を通じ制度の周知を行って下さい。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)

    研修を通じ概要は理解しても、細かな部分についての疑問に答えてくれる窓口を設けることです。

  • 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供

    育児休業を取得した同僚社員の事例紹介により育児休業取得の動機付けを行います。

  • 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

    書面やチラシを作成し、育児休業に対する会社の方針や代表者のメッセージを社員に発信しましょう。

⑵ 女性社員から妊娠・出産の申し出や男性労働者から配偶者の妊娠・出産の申し出を受けた場合、会社は次の
      事項の周知を行い育児休業取得の意向を確認することが義務
となりました。

【周知事項】
  • 育児休業・産後パパ育休に関する制度
  • 育児休業・産後パパ育休の申し出先
  • 育児休業給付に関すること
  • 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

仕事のやりくりは別にして、育児休業取得に対する不安は、取得期間中の収入や社会保険料の負担と思われます。不安を取り除き取得促進を図って下さい。

【個別周知】
 ①面談  ②書面交付  ③FAX  ④ 電子メール等 のいずれか

面談はオンラインでも可能です。社員が希望した場合は③④が可能となります。

⑶ 有期労働者(契約社員)の要件が緩和されます。

<令和4年3月31日まで>
① 引き続き雇用される期間が1年以上であること
    ② 子が1歳6カ月になるまでに雇用契約が満了することが明らかでないこと

①の要件が廃止となります。

<令和4年10月1日施行>

⑴ 産後パパ育休の創設
  • 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
  • 産後パパ休業は2回の分割取得が可能
  • 労使協定を結べば、産後パパ休業中に就業可能となりますので、育児休業に入る前に同僚・上司と打ち合わせをして下さい。

​          ・就業できる日や時間は上限があります。
    ・週5日勤務・1日8時間勤務で育児休業2週間取得した場合は、就業
             できる日は5日、就業できる時間はその5日間で40時間が上限となりま
     す。(休業開始日、休業終了日の就業は8時間未満)

⑵ 育児休業の改正

【▼イメージ図】

※朱の矢印が、今回の改正で新たにできるようになることです。

※育児休業の実施を法に従い完全に行うことは困難な事業所様もおられると思いますが、女性社員に対する〝マタハラ〟や男性社員に対する〝パタハラ〟を指摘されないよう努めて頂きますようお願い致します。

 〝マタハラ〟や〝パタハラ〟による訴えがあるにもかかわらず、是正が実行されない会社に対しては、厚労省は「社名公表」や過料(20万円)の徴収等の罰則を行います。

※平成30年東京都の調査によれば男性の育児休業取得における課題は次のとおりとなっております。

① 代替え要員の確保が困難
② 男性自身に取得する意識が無い
③ 休業中の所得補償が不安
④ 職場に取得できる雰囲気が無い
⑤ キャリア形成に不利になる

 会社にも男性社員にも当てはまる課題と思われます。

 しかし、令和4年10月1日より社員1001人以上の会社では男性社員の「育児休業の取得率」「育児目的休暇の取得率」の公表が義務となります。公表は自社のホームページ等で行いますので、企業イメージを考え男性の育児休業取得が加速すると思われます。

 貴社におかれましても、企業イメージを向上させるためにも男性社員が育児休業を取得する場合は、引継書を作成し、同僚社員に充分な説明を行う等の工夫を行い、育児休業取得率のアップに取り組んで頂きたいと思います。

今回の法改正に伴い、就業規則(育児介護休業規程)の変更手続きが必要となります。

▼PDF資料はこちら

以下からダウンロードできます。